現代の教育現場では、不登校になる子どもたちが年々増加傾向にあります。文部科学省の調査によれば、小中学生の不登校児童生徒数は過去最多を更新しています。その背景には様々な要因がありますが、その中でも特に注目すべき点の一つが、「感性の鋭さ」との関係です。今回は、なぜ感性が鋭い子どもたちほど学校に馴染みにくくなるのか、その背景にある心の機微について考えてみたいと思います。
感性の鋭さとは何か
「感性が鋭い」と聞くと、芸術的な才能や直観力に秀でたイメージを持つかもしれません。しかし、ここでいう感性とは、外部からの刺激を強く感じ取る繊細さ、人の言動の裏側にある感情を察知する力、そして日常の些細な出来事にも深く反応する心の動きを含んでいます。
こうした子どもたちは、教室のざわめきやクラスメイトの些細な言葉、先生のちょっとした表情の変化に過剰に反応し、内心で大きな疲れや戸惑いを感じていることがあります。大人から見れば「気にしすぎ」や「考えすぎ」と見なされることも、彼らにとっては切実な“世界の重さ”なのです。
なぜ学校生活が苦しくなるのか
学校という集団生活の場では、「みんなと同じであること」が求められる場面が多くあります。協調性、積極性、明るさ──こうした価値観に馴染めず、自分のペースや独自の感受性を守ろうとする子は、「浮いている」「わがまま」などと受け取られがちです。
感性の鋭い子は、クラスの空気の張りつめ方や友達関係のちょっとした歪みにも敏感に反応し、自分の存在がそこにうまく溶け込めていないという違和感を抱きやすくなります。無理に合わせることで心のエネルギーを消耗し、ついには登校そのものが精神的な負担となってしまうのです。
「弱さ」ではなく、「持っている力」
こうした不登校の状態は、「逃げ」や「怠け」ではありません。それは、彼らが自分の感性を守るための防衛本能であり、生きる力のひとつのかたちです。むしろ、目に見えないものを深く感じ取る力は、これからの社会で大いに価値ある資質となるでしょう。
たとえば、感性が鋭い子どもたちは、人の気持ちに寄り添う力や想像力、表現力に優れています。芸術、デザイン、教育、心理などの分野で、その感受性は大きな才能として花開く可能性があります。
大人にできること
まず何よりも大切なのは、その子の感性を「認める」こと。「あなたは感じすぎなんじゃない?」と否定するのではなく、「そんなふうに感じているんだね」と寄り添い、言葉にできない思いを受け止める姿勢が必要です。
不登校は「問題」ではなく、「今の社会のかたちと合わない子が発するメッセージ」かもしれません。その声に耳を傾け、感性の鋭い子どもたちが自分らしく輝ける道を共に探していくことこそ、私たち大人の役割なのではないでしょうか。
今の社会のかたちと合わない子が発するメッセージ
それでは今日はこの辺で! また明日♪
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