KOSHIN学院で日々子どもたちと向き合っていると、「親に言えばなんでも買ってもらえる」と信じて疑わない子に出会うことがあります。中には、10万円を超える最新のiPhoneを、まるで文房具を買うかのような感覚で手にしている子もいます。
もちろん、家庭の経済状況はそれぞれですし、親が子どもに良いものを与えたいという気持ちは自然なものです。私自身、否定したいわけではありません。ただ、その光景を見たとき、胸の奥に小さな不安が芽生えるのです。
「この子は将来、困難に出会ったとき、どう乗り越えていくのだろう」
そんな問いが浮かんできます。
■「時代だから」で片付けてしまって良いのか
確かに、今の子どもたちは生まれたときからスマートフォンがあり、タブレットがあり、便利さが当たり前の世界で育っています。私たち大人が子どもの頃とは、環境がまるで違います。
だからといって、「時代だから仕方ない」と片付けてしまうのは、教育者としてあまりに無責任ではないかと感じるのです。
時代が変われば、子どもたちに必要な力も変わります。しかし、どんな時代でも変わらない力があります。
それは、
- 我慢する力
- 欲望をコントロールする力
- 手に入れるために努力する力
- 感謝する心
これらは、どれだけ時代が進んでも、どれだけテクノロジーが発達しても、人として生きていく上で欠かせない力です。
■「買ってもらえる」が当たり前になると何が起きるか
子どもは環境の影響を強く受けます。
「欲しいと言えば手に入る」
「努力しなくても与えられる」
この状態が続くと、次のような傾向が生まれやすくなります。
- 物の価値を感じにくくなる
- 我慢ができなくなる
- 失敗したときに立ち直る力が弱くなる
- 他者への感謝が薄くなる
- 自分で工夫する力が育ちにくくなる
これらは、学力以前に「生きる力」に直結する問題です。
特に、社会に出れば「ねだれば手に入る」なんてことはありません。努力しても報われないこともありますし、理不尽なこともあります。それでも前に進む力が必要です。
だからこそ、子ども時代に「簡単には手に入らない経験」をしておくことは、将来の大きな財産になります。
■本当に与えるべきものは“物”ではなく“経験”
私は、子どもたちにとって本当に価値があるのは、最新のスマホでも高価なブランド品でもなく、
「自分の力で手に入れた」という経験
「我慢したからこそ味わえる喜び」
「親への感謝を自覚する瞬間」
だと思っています。
たとえば、欲しいものがあるなら、
- 自分でお手伝いをして貯金する
- テストで目標点を取る
- 1ヶ月間、約束を守り続ける
こうした「プロセス」を経験することで、子どもは確実に成長します。
親が与えるのは簡単です。しかし、簡単に与えないことこそが、最大の愛情になる場合もあるのです。
■「耕心」の視点から見えるもの
KOSHIN学院の名前の由来である「耕心」──心を耕すということ。
心は、放っておけば荒れます。
欲望のままに生きれば、土は固くなり、作物は育ちません。
だからこそ、手間をかけ、水をやり、時には雑草を抜き、時には厳しい日差しにも耐えながら、心を育てていく必要があります。
高価なものを買い与えることは、決して悪ではありません。
しかし、それが「心を耕すこと」につながっているかどうかは、常に考える必要があります。
■大人ができること
子どもたちは、親の背中を見ています。
そして、私たち大人の価値観を吸収しながら育っていきます。
だからこそ、私たち大人が、
- 物の価値を丁寧に伝える
- 我慢の意味を教える
- 努力の大切さを示す
- 感謝の心を育てる
この姿勢を持ち続けることが、子どもたちの未来を守ることにつながります。
「時代だから」で片付けるのではなく、
「時代がどう変わっても大切なもの」を伝えていく。
それが、KOSHIN学院が目指す“心を耕す教育”であり、私が塾長として大切にしている使命です。
ねだれば何でも買ってもらえると思わせるのはいかがなものか?
それでは今日はこの辺で! また明日♪
【KOSHIN学院は神奈川県平塚市田村にある、一生懸命頑張る生徒をトコトン応援する高校受験専門の学習塾です!】
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