教室で生徒に問題を解かせる場面は、日々の授業の中で何度も訪れます。先生は問題を配り、「さあ、やってみよう」と声をかける。生徒は鉛筆を握り、ノートに向かう。けれど、その前に、先生自身が「問題を解く姿」を見せること──これこそが、指導の中で最も大切でありながら、見落とされがちな行為ではないでしょうか。
【動画】問題を解いているところを見せる指導
「解き方」ではなく「考え方」を伝える
生徒にとって、問題の「答え」よりも大切なのは、そこに至る「道筋」です。先生が問題に取り組むとき、どこから手をつけるのか。何を見て、何を疑問に思い、どんな情報を整理するのか。ノートにはどんな言葉を書き出し、どんな図を描くのか──その一つひとつの動作が、先生の「思考の型」を映し出しています。
この「型」を見せることは、単なる解説とは違います。生徒は先生の手元を見ながら、

あ、こうやって考えるのか



この順番で整理するのか
と、自然に真似を始めます。最初はぎこちなくても、繰り返すうちに自分の中にその型が根付き、やがて自力で問題に向き合えるようになるのです。
「見せる」ことは「育てる」こと
教育とは、知識を与えることではなく、思考を育てること。先生が問題を解く姿を見せることは、まさに「育てる」行為です。これはKOSHIN学院の理念「耕心」にも通じます。心を耕すとは、表面的な理解ではなく、深い思考力と自立した学びの姿勢を育てること。そのためには、先生自身が「考える姿」を見せることが不可欠です。
たとえば、数学の文章題に取り組むとき。先生がまず問題文を音読し、条件を線で囲み、図を描いて情報を整理する。その過程を見せることで、生徒は「問題文を読むだけではなく、構造を把握することが大事なんだ」と気づきます。理科の実験問題でも、先生が「なぜこの現象が起きるのか」と問いを立て、仮説を立ててから選択肢を検討する姿を見せることで、生徒は「答えを選ぶ前に考えること」が習慣になります。
「見せる」ことの心理的効果
さらに、「先生も考えている」という姿を見せることは、生徒の心理的な安心感にもつながります。完璧な答えをすぐに出すのではなく、



うーん、ここはどう整理しようか?
と悩む姿を見せることで、生徒は「考えることに時間がかかってもいいんだ」と思えるようになります。これは、失敗を恐れずに挑戦する姿勢を育てる上でも非常に重要です。
また、先生が自分のノートを見せながら、「ここにこう書いてみたよ」「この図はちょっと工夫してみた」と語ることで、生徒との距離が縮まり、学びが対話的になります。これは、KOSHIN学院が大切にしている「信頼」と「共感」の教育にもつながります。
習慣化が生む「自力の学び」
この「見せる指導」を繰り返すことで、生徒は徐々に自分の中に「考える型」を築いていきます。最初は先生の真似から始まり、やがて自分なりの工夫を加え、独自のノートの取り方や図の描き方が生まれてくる。こうした変化は、目に見える成績以上に、生徒の「学びの自立」を示すものです。
そして、ある日ふと気づくのです。「あれ?先生がいなくても、自分で解けるようになってる」と。これは、指導者として何より嬉しい瞬間です。生徒が自分の力で問題に向き合い、考え、答えを導き出す──その姿は、まさに「耕された心」が芽吹いた証です。
──先生自身が「学び手」であること
このような指導を続けるためには、先生自身が「学び手」であることが求められます。問題を解く姿を見せるには、先生自身が日々考え、悩み、工夫していることが前提です。KOSHIN学院では、先生方が互いに学び合い、指導の工夫を共有する文化があります。これは、生徒にとっても「学び続ける姿勢」のモデルとなります。
「教える」ではなく「育てる」。そのために、まずは先生自身が「考える姿」を見せること。これは、KOSHIN学院の教育の根幹であり、未来を担う子どもたちへの最大の贈り物だと、私は信じています。
先生が解いている姿は、生徒の良い手本になる!
それでは今日はこの辺で! また明日♪
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