難しい問題を解けば頭が良くなると思っていませんか?

学習塾で中学生を指導する際、生徒たちが抱える課題は多岐にわたります。数学の関数、英語の文法、理科の計算問題など、つまずくポイントは生徒によって異なります。しかし、どんな教科であっても、学習の土台となる「基本をしっかりと身につけること」が、長期的な学力向上の鍵であると私は考えています。いきなり難しい問題に挑戦するのではなく、基本的な問題を確実に解けるようにする指導法の重要性について、以下で詳しくお話しします。

【動画】難しい問題を解けば頭が良くなると思っていませんか?


なぜ基本問題が重要なのか

中学生の学習内容は、積み重ねの連続です。例えば、数学では一次方程式を理解していなければ、連立方程式や二次方程式に進むのは困難です。英語でも、基本的な文法や単語の知識が不足していると、長文読解や作文で苦労します。基本問題は、こうした積み重ねの第一歩であり、すべての応用問題の基礎となるものです。

基本問題を解くことで、生徒は以下のメリットを得られます:

  • 自信の醸成
    簡単な問題を確実に解けるようになると、「自分にもできる」という自信が生まれます。この自信は、学習意欲の向上につながります。

  • 思考の整理
    基本問題は、解法のパターンや考え方を整理するのに最適です。例えば、数学の文章題では「与えられた情報を整理し、式に変換する」プロセスを繰り返し練習できます。

  • ミスの減少
    基本問題を繰り返すことで、計算ミスや問題の読み間違いといった「うっかりミス」を減らす習慣が身につきます。

  • 応用力の土台
    基本をマスターすることで、応用問題に必要な「核となる知識」が定着し、複雑な問題にも対応できるようになります。

基本問題を徹底する指導の具体的な方法

では、どのようにして基本問題を徹底すればよいのでしょうか。私が実践している指導法をいくつか紹介します。

1. 段階的な問題設定

生徒の現在の学力に応じて、適切なレベルの問題を選びます。例えば、数学の一次方程式が苦手な生徒には、まず「x + 5 = 10」のような単純な問題から始め、徐々に「2x – 3 = 7」のような問題に移行します。この段階的なアプローチにより、生徒は無理なくステップアップできます。

2. 繰り返し練習

「習うより慣れよ」という言葉の通り、基本問題は繰り返し解くことで定着します。ただし、単なる反復ではなく、意識的な練習が重要です。生徒には「なぜこの答えになるのか」を説明させたり、間違えた問題は必ず解き直したりするよう指導しています。

3. 個別フィードバック

生徒一人ひとりの解答を丁寧に見て、どこでつまずいているのかを分析します。例えば、英語の文法問題で間違えた場合、「be動詞と一般動詞の使い分けが曖昧」「時制の理解が不足している」といった具体的な課題を明確にし、補強用の問題を提供します。このフィードバックを通じて、生徒は自分の弱点を克服できます。

4. 達成感を重視

基本問題は「簡単すぎる」と感じる生徒もいますが、そこで「100%正解を目指す」ルールを設けると、達成感が生まれます。たとえば、10問中9問正解でも「あと1問!」と励まし、全問正解できたときにはしっかり褒めることで、モチベーションを維持します。

5. 実生活とのつながりを意識

基本問題を解く意義を理解させるため、教科の内容を日常生活と関連づける工夫をしています。たとえば、数学の割合の問題なら「スーパーのセールで30%引きの商品の値段を計算する」といった身近な例を出し、学習の「使える感」を伝えます。

難しい問題に飛びつくリスク

生徒や保護者の中には「難しい問題を解けるようになれば、応用力がつく」と考える方もいます。しかし、基本が不十分な状態で難しい問題に挑戦すると、以下のような問題が起こりがちです:

  • 挫折感
    解けない問題が続くと、「自分はダメだ」と感じ、学習意欲が低下します。
  • 表面的な理解
    解法を丸暗記するだけで、根本的な理解が伴わない場合があります。これは受験勉強では通用しません。
  • 時間の浪費
    基本が身についていないと、難しい問題を解くのに膨大な時間がかかり、効率が悪いです。


私の経験では、基本問題を飛ばしていきなり応用問題に挑戦した生徒は、模試や定期テストで思うように点数が取れず、結局基本に戻ってやり直すケースが多々ありました。逆に、基本を徹底した生徒は、徐々に難しい問題にも対応できるようになり、成績が安定します。

基本問題の徹底がもたらす長期的な効果

基本問題を徹底することは、単なる「解ける問題の数」を増やすだけでなく、生徒の学び方そのものを変えます。たとえば:

  • 自学自習の習慣
    基本問題を繰り返す中で、「自分で解き方を考える」習慣が身につきます。これは高校以降の学習でも役立ちます。
  • 柔軟な思考力
    基本を深く理解することで、問題の「本質を見抜く力」が育ち、未知の問題にも対応しやすくなります。
  • 持続可能な成長
    基本を積み重ねることで、学習の「土台」が強固になり、どんな難問にも立ち向かえる力が育ちます。

おわりに

中学生の学習指導において、基本問題の徹底は地味に見えるかもしれません。しかし、この地味な努力こそが、生徒の学力を確実に伸ばし、自信とやる気を引き出す鍵です。いきなり難しい問題に挑戦するのではなく、まずは目の前の基本問題を一つひとつクリアしていく。その積み重ねが、大きな成果につながります。

私たち塾講師の役割は、生徒が基本を楽しみながら身につけられるよう、適切な問題と励ましを提供することです。生徒が「できた!」と笑顔を見せる瞬間を、これからも一つでも多く作りたいと思います。


今日のポイント!

やさしい問題でも、練習しないと出来ないように試験は作ってある!



それでは今日はこの辺で! 次回は連休明けにお会いしましょう♪


【KOSHIN学院は神奈川県平塚市田村にある、一生懸命頑張る生徒をトコトン応援する高校受験専門の学習塾です!】

入塾に関するお問い合わせはこちらからどうぞ

友だち追加

しつこい勧誘は絶対にイタシマセンので、お気軽にお問い合わせ・ご相談ください♪

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

瀬下淳志のアバター 瀬下淳志 KOSHIN学院塾長

神奈川県平塚市田村にある高校受験専門の集団個別指導の学習塾です。お勉強が苦手でもお断りしませんが『やる気』は大いに気にしています。