「凡ミス」という言葉の危険性──甘い認識が生む深いズレ

「凡ミス」という言葉を、私たちは日常的に耳にします。教育現場でも、生徒がテストの結果を振り返る際に、「あ〜、計算ミスしちゃった」「ケアレスミスで10点落とした」などと口にすることが少なくありません。保護者や教師も、「計算ミスさえなければ90点だったね」「惜しかったね」と、つい慰めの言葉をかけてしまうことがあります。

しかし、私はこの「凡ミス」という言葉に、深い危機感を抱いています。
なぜなら試験問題にはミスをするように罠が仕掛けられているから!


「凡ミス=仕方ない」という誤認

「凡ミス」という言葉には、「誰でもやる」「仕方ない」「気をつければ防げる」というニュアンスが含まれています。確かに、誰しもミスはします。人間ですから、完璧ではありません。

しかし、問題はそのミスを「凡ミス」と呼ぶことで、まるで“許されるミス”のように扱ってしまうことです。とくに子どもたちは、「計算ミス=凡ミス=OK」と認識してしまいがちです。つまり、「自分は本当はできていた」「ミスしただけだから悪くない」と、自己防衛の思考が働くのです。

この思考は、非常に危険です。


点数のズレは、認識のズレから始まる

テストの点数は、知識量や理解度を測る指標であると同時に、「丁寧さ」「集中力」「習慣」など、学習姿勢の反映でもあります。計算ミスで10点落としたということは、単に知識が足りなかったのではなく、「確認不足」「焦り」「思い込み」など、学習態度に課題があるということです。

それを「凡ミスだから仕方ない」と処理してしまうと、根本的な改善がなされません。結果として、同じようなミスを繰り返し、点数のズレが積み重なっていきます。最終的には、実力と結果の間に大きな乖離が生まれ、「なぜか点数が伸びない」という状態に陥るのです。


「知らなかった間違い」よりも「凡ミス」のほうが厄介

教育者としての実感ですが、「知らなかったから間違えた」というケースよりも、「わかっていたのにミスした」というケースのほうが、何倍も指導が難しいのです。

知らなかったことは、教えれば済みます。新しい知識を伝え、理解を促せば、次回は正答できる可能性が高い。


しかし、「凡ミス」は違います。そこには「自分はできていた」という思い込みがあり、「改善する必要がない」と無意識に判断してしまうのです。つまり、本人にとっては“問題がない”状態なのです。だからこそ、改善の意欲が湧かない。指導しても響かない。繰り返し注意しても、「またやっちゃった」で終わってしまう。

この「凡ミスの壁」を越えるには、相当な時間と根気が必要です。


「凡ミス」を許さない文化を育てる

KOSHIN学院では、「凡ミス」を軽視しない文化を大切にしています。ミスをしたときは、「なぜそのミスが起きたのか」「どうすれば防げたのか」を一緒に考えます。単なる注意喚起ではなく、習慣や思考の癖にまで踏み込んで、根本的な改善を目指します。

たとえば、計算ミスが多い生徒には、「数字の書き方」「途中式の残し方」「見直しのタイミング」など、具体的な行動レベルでの改善を促します。また、「凡ミスをした自分を責める」のではなく、「凡ミスを放置することの危険性」を理解させるよう努めています。

これは、単なる点数のためではありません。将来、社会に出たときに「うっかり」で済まされない場面は無数にあります。仕事のミス、契約の誤認、言葉の選び方──すべてが「凡ミス」で済まされない現実です。

だからこそ、今のうちに「凡ミスを軽視しない姿勢」を育てることが、人生の土台になるのです。


「耕心」の視点から

「耕心」とは、心を耕すこと。つまり、表面的な知識や技術だけでなく、内面の姿勢や価値観を育てることです。

「凡ミスを軽視しない」という姿勢は、まさに「耕心」の実践です。自分の行動を振り返り、改善しようとする心。甘えず、逃げず、誠実に向き合う心。それこそが、学びの本質であり、人としての成長につながります。

教育とは、点数を上げることだけではありません。心を育てること。そのためには、「凡ミス」という言葉の裏に潜む甘えや油断を、しっかりと見つめ直す必要があります。


「凡ミス」を言い訳にしない勇気を

生徒たちには、「凡ミスをした自分」を責めるのではなく、「凡ミスを放置しない自分」になってほしいと願っています。ミスを認め、改善しようとする姿勢は、何よりも尊いものです。

そして私たち教育者も、「凡ミスだから仕方ない」と流すのではなく、「凡ミスこそが成長の鍵」と捉え、丁寧に向き合っていきたいと思います。

「凡ミス」という言葉に甘えず、真摯に学びと向き合う──それが、KOSHIN学院の「耕心」の精神です。


今日のポイント!

「自分は本当はできていた」「ミスしただけだから悪くない」という姿勢を改めることが重要!



それでは今日はこの辺で! また明日♪


【KOSHIN学院は神奈川県平塚市田村にある、一生懸命頑張る生徒をトコトン応援する高校受験専門の学習塾です!】

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この記事を書いた人

瀬下淳志のアバター 瀬下淳志 KOSHIN学院塾長

神奈川県平塚市田村にある高校受験専門の集団個別指導の学習塾です。お勉強が苦手でもお断りしませんが『やる気』は大いに気にしています。